のどのどのような症状でお困りですか?
A 一般的に風邪の症状の1つとしてのどが痛くなることが最も多いですが、この時は同時に鼻汁も出る、咳も出る、微熱があるといった症状を伴うことが多く、風邪の治療で十分おさまります。
が、のどだけが特に痛いときは以下のような疾患が考えられます。
1 溶連菌感染症
A群β型溶連菌という細菌が原因になって起こる咽頭炎が主な症状です。発熱とともに、はっきりしたのどの痛みが生じることが多く、年齢を問わず発症します。非常に人にうつしやすい感染症ですので、家族内でのうつしあいも度々あり、登園、登校を控えないといけないルールのある疾患です。適切な抗菌剤をのむことで症状そのものは2~3日でおさまることが多いですが、まれにこの疾患にかかった後に糸球体腎炎やリウマチ熱などが生じることあり、抗菌剤は10日間の服用がすすめられています。
2 急性扁桃炎、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍
のどが痛いと言っても、扁桃腺の炎症が必ずある訳ではありません。耳鼻科ではのどの痛みが扁桃腺によるものか否かをまず確認します。扁桃腺が原因の場合は必ず扁桃腺そのものに痛みがあります。これは扁桃腺を圧迫することで容易に判断できます。扁桃腺のみで炎症がとどまっている場合は急性扁桃炎といい、のみ薬、うがい程度でほぼおさまりますが、時にその炎症がひどくなり、扁桃腺の周りにまで及んでしまうと扁桃周囲炎と呼ぶ状態になり、痛みもただならぬものとなって、経過が長くなります。普通は2~3日でおさまるのどの痛みが、左右どちらかのみ1週間以上も続くときは、この状態になっていることがあります。こうなりますと口が開きにくくなったり、極端に食べにくくなったりして、全身の消耗が生じます。場合によって扁桃周囲に膿がたまることがあり(扁桃周囲膿瘍)この場合は、内服薬のみではなかなかおさまらず、注射による抗菌剤の投与や、たまっている膿の排出が必要になり、入院による治療が必要になる場合もあります。
3 口内炎
「内科で風邪と言われて薬もらったけど、のどの切れるような痛みがまったくおさまりません」という訴えで来られる患者さんで、意外と多いのが口内炎です。通常口内炎は唇やほほの内側、舌の先端部あたりに生じますが、扁桃腺の上部や、舌の付け根近くに比較的直径の大きなものができることがあり、以外と見つかりにくく、この場合は鋭い痛みで食べられなくなります。口内炎ですから、放置していてもよくなることが多いですが、治療でより早くよくなりますので、ぜひ耳鼻科にいらしてください。
A 咳の原因は大変たくさんあり、一概にのどが原因とは言えない場合が多いですが、風邪の症状で咳が出る場合はのどが原因のこともあります。この場合痰はからまず、コンコンという乾いた咳が断続的に出ます。内服薬やうがいでおさまることが多いです。副鼻腔炎(蓄膿症)で鼻汁がのどに流れて生じる咳や、気管や気管支が敏感になって生じる咳(アトピー咳嗽や咳喘息)、小児の場合は気管支ぜんそくのこともよくあり、のど以外の原因で生じる咳についても可能な限り対応しております。肺炎や重度の気管支炎を疑う場合、また経過が2ヶ月以上になる場合は胸の検査(レントゲン撮影やCTなど)が必要になりますので呼吸器内科や小児科を紹介させていただいております。
A とくに大きな声を出しすぎた訳でもなく「急に声がでにくくなった」「急に声が嗄れる」という場合、ほとんどが声帯の炎症(急性喉頭炎)で声帯そのものが腫れることが原因です。この場合は腫れを引かせる内服薬や声帯に直接薬剤をふきかける治療(ネブライザー療法)で良くなりますが、急に悪くなった割には治りが遅く、元に戻るまで1週間程度かかることが多いです。 教員をされている方、歌うことを職業にされている方など、声帯を酷使している方には、声帯の一部にできもの(結節やポリープ)が生じていることがあり、このようなケースには手術が必要な場合があります。
あと、長年タバコを吸っておられる方で、長い経過(10年以上)でハスキーボイスが続き、時に全く出なくなることがあるという方は、両方の声帯全部がポリープのような状態になってしまっている場合があります(ポリープ様声帯)。この場合も外科的治療が必要になる場合あります。また同様に喫煙者の男性で、声嗄れが続き、出そうと思っても大きな声が出なくなっている場合 癌(喉頭癌)が生じている場合あります。
また甲状腺がんや食道がん、肺がん、大動脈瘤等でほかの症状が全くなく声嗄れのみが唯一の症状という場合があります。これらの場合は左右どちらかの声帯が、粘膜そのものには病変は無いのですが、動きが極端に悪くなっており(反回神経麻痺)、独特の声嗄れが生じます。声がかれていることで、それの原因を調べたら、これらの疾患が見つかることがあるということです。 これらの疾患はすべて一回の診察、1~2分の検査(ファイバースコープ)で診断できますので、症状があって受診を迷っておられる方は、なるべく早く受診されることをお勧めします。
A 特に40代以降の女性に多い訴えですが、昨今この症状の原因として、逆流性食道炎(胃液が逆流して食道やのどに強い酸による影響を与えてしまう疾患)が言われています。当院ではまずのどの診察を十分に行なって、違和感の原因になるものがなにも見つからなければ、まず逆流性食道炎の治療(内服薬)を2週間程度行なってみます。これで違和感がとれるようでしたら、さらに投薬を続け、必要に応じ内科での胃カメラ等を受けていただきます。違和感がとれない場合は、さらに検査を勧めるか、違和感そのものを緩和するような薬剤(安定剤系)を服薬していただきます。
A 「魚の骨が引っかかった」と言われる場合が多いです。口を開いていただくのみでパッと見つかる場合もあれば、内視鏡を使わないと見つからない場合もあります。見つかれば何らかの方法で当院で摘出できることがほとんどですが、時に病院へいっていただかないと行けないケースもあります。 良くある質問として、「魚の骨はひっかかっているが受診する時間がない。放置しておいてもよいか?」というのがあります。うなぎ、さんまの骨等は腰も弱く、放置していても問題ないケースもありますが、ブリや鯛の骨等はかなり大きな場合があり、放置すると咽頭、食道外に及ぶ激しい炎症を起こしてしまうことがあり、ほうっておかない方が良いと思われます。
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